旅とは無関係なスピンオフ企画です。10万人に1人と言われる精巣腫瘍と診断されてから、右の睾丸を摘出するまでを赤裸々にお伝えしていきます。STEP TWOは、大学病院の泌尿器科に行った時の話です。

急がなきゃ、急がなきゃ!

6月19日(月)におじいちゃん医師からガンの可能性を示唆されたというのに、どこか自分の中で半信半疑で、しばらく大学病院には行く気がしませんでした。6月20日(火)本社のお偉いさんと飲み会。6月21日(水)ブログの読者さんと日暮里で飲み。6月22日(木)通常勤務。しかし、ネットで調べれば調べる程、自分の中で早期発見の重要性が浮き彫りになっていきます。そして、木曜の夜に意を決して明日病院に行くことにしました。

いざ、大学病院へ

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6月23日(金)7:55 北里大学メディカルセンター

8:30の受付開始の35分前に到着しました。紹介状を持っているとはいえ、大学病院は一日がかりです。まず、診察の前にエコーを撮影するように言われました。妊婦さんがよくやるアレです。アレを金タマに当てるのです。蒲鉾の板くらいの大きさの金属板にジェルを塗って、患部に押し当てて映像を撮影行くのですが、何ともいえないヌルヌル感で変な気持ちになりました。約20分間、睾丸だけでなくその周辺の鼠蹊部(ビキニラインら辺)等も撮影していました。撮影が終わって服着て下さいと言われたので「どんな感じですかね?」と軽い感じで若い技師さんに質問したら「医師から聞いて下さい。」とさらっと流されてしました。

ようやく診察

6月23日(金)10:30 泌尿器科

エコー撮影が終わり、ようやく診察室前の待合所に通されました。正直、自分の中では「これは、癌じゃない」に賭けていました。ただの金属アレルギーが原因の炎症だと言われるはずでした。「〇〇さん、2番へどうぞ。」と名前を呼ばれ、ドアを開けると40代のサーファー系のイケメン医師が座っていました。診察用のベッドに寝るように言われ、ズボンを脱いで、まな板の上の鯉の気分で金タマを触られます。途中、強めにコリコリされ「痛い?」と聞かれましたが、全く痛みはないので「痛くないです。」と答え、2〜3分で触診は終了。

「えー、睾丸に腫瘍ができています。睾丸にできる腫瘍のうち、95%は悪性のため癌です。これからCTなどの精密検査を受けてもらって、来週の水曜にその結果をお知らせします。それと同時に、緊急の扱いで7月2日(日)入院、7月3日(月)手術の日程で予約を入れておきます。検査の結果で問題ないとわかれば、キャンセルすればいい事です。何か質問は?」といっきに要点を伝えられます。カレンダーを眺め、7月3日が会社内でかなり重要な日と思い出し「あ、日程なんですけど・・・。」と言い掛けたのですが、今、天秤にかけているのは「仕事と自分の命」だと気付いて「何でもないです。問題ありません。」と返事をしました。医師も筆者のその態度を察してくれたようで「1日も早い方がいいです。一緒に治していきましょう。」とポンポンと肩を叩かれました。

こんなに受けるの?精密検査

尿検査 ⇨ 血液検査(6本) ⇨ 肺活量 ⇨ 心電図 ⇨ X線撮影 ⇨ CT撮影(造影剤有)

最も辛かったのは、肺活量の検査でした。文章にするのはなかなか難しいですが、こんなに肺をイジめちゃうの?というくらいに「まだ吐ける!まだ吐ける!」と体内にある気体という気体を全て吐き出させられます。めちゃくちゃ苦しかったです。CT撮影の造影剤は、意外な事に全く平気でした。計6箇所の検査を、約90分間で回りました。この日のお会計は、全部で19,270円でした。親には心配掛けられないから、精密検査の結果が出るまでは言えないと思うと、帰りの道の足取りがとても重くなった事を今でもよく覚えています。

ゲイリーマン、玉を取る。- STEP THREE –」に続く

<最終編集:2017年7月>

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